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【話題の国産ウオッチを本音レビュー|Vol.16】 セイコー プロスペックス 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 植村直己生誕80周年記念限定モデル

1965年に初代モデルが誕生したセイコー ダイバーズは、いまでもセイコーを代表するひとつの系譜といえる。誕生翌年の66年には南極観測越冬隊員の装備品として採用され、その後も多くのプロフェッショナルたちに愛用されてきた。代を追うごとにフォルムや仕様も変遷してきたが、その過程で“ツナ缶”“タートル”などの愛称で呼ばれる傑作が誕生しており、これらダイバーズモデルをひたすら追い求めるコレクターも少なくない。

 ファンの間でも特に人気が高いのが、“植村ダイバーズ”と呼ばれる1970年発売の2代目(セカンド)ダイバーズだ。愛称から察せられるように、このモデルは日本人で初めてエベレスト登頂に成功し、世界初の五大陸最高峰登頂者として世界的に著名な冒険家、植村直己氏が1974~76年にかけて犬ぞりで北極圏走破したときに愛用していたモデルだ。
 左右非対称のレトロフューチャーなフォルムとなったケース、視認性の良いシンプルな夜光入りインデックス、独特の引っかけるタイプのロック機能を備えた4時位置のリューズなど、そのデザインはいまとなってはかなり懐かしい雰囲気。防水性能は150mを誇った堅牢なモデルだが、ダイバーズという性格上、ハードに使い込まれた個体が多く、現存する個体でコンディションの良いものはあまり多くない。近年は注目度が上がっていることもあり、状態が良ければ中古市場でも15~30万円で取り引きされるほど高騰している。

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今回取り上げるセイコー プロスペックス 1970 メカニカルダイバーズ 現代デザイン 植村直己生誕80周年記念限定モデルは、同氏の栄誉を称え、その生誕80周年を記念して新たに誕生したモデルだ。セカンドダイバーズの雰囲気を残しつつ、その内容は大幅にブラッシュアップされていて実用的なモデルに仕上がっている。

 まずケースの近未来的なフォルムはオリジナルの雰囲気を意識しつつも、全体にかなり現代的なテイストになっている。レトロフューチャーなクッションケースに、細い側面まで鏡面のポリッシュを加えて丁寧に磨き分けしつつ、さらに独自の表面加工であるダイヤシールドを施すことで質感を高めており、全体にかなりキラキラした印象だ。ベゼルも光沢感ある塗装を採用し、ガラスも無機ガラスからサファイアクリスタルに変更されたことで、オリジナルとは輝きが段違いだ。

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ベゼルや文字盤のカラーリングは爽やかなブルーで、これは植村氏が五大陸最高峰の山頂から見たであろう澄んだ空の青を表現したものだという。同じく文字盤には山肌を彷彿させる荒々しいパターンが入っており、スポーティブな雰囲気を高めている。ベゼルはオリジナルが両回転だったのが、本格ダイバーズらしく逆回転防止に変更されている。またリューズのロックもねじ込み式に変更されており、全体に現行モデルらしくアップデートされた仕様になっている。風防素材やリューズをブラッシュアップしたこともあるのか、防水性能は150mから200mに向上しており、普通にダイビングに使っても問題ないだろう(オリジナルは150m防水とはいえ、スペック通りの防水性能をキープしている個体はほぼ存在しないだろうから、マリンスポーツなどに使うのは厳禁だ)。ブレスレットもがっしりした作りでいかにも頑丈そうだ。全体的なボリュームと外装のクオリティは大きくアップしている。

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ブレスレットはスポーティブな3連タイプで、コマの作りもかなりがっしりしていて耐久性は高そうだ。レール状パターンが入った特徴的なブルーのシリコンベルトも付属し、好みによって付け変えても楽しいだろう。裏ブタには偉大な冒険家に敬意を表して“NAOMI UEMURA 80TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION”の文字とともに、シリアルナンバーが刻印される。

 搭載ムーヴメントはプロスペックスシリーズの高級機によく使われる自動巻きのCal.8L35で、日差マイナス10〜プラス10秒の高精度を備えており実用性が高い。作りも頑強で、ダイバーズウオッチにふさわしいムーヴメントだといえる。こうした仕様のためか、価格は35万2000円とまずまずな設定だが、作り込みのハイレベルさと1200本という限定数を考え合わせると、お値打ち感がある。過去の例だと、セイコーのこの手のダイバーズやスポーツモデルの限定リイシューは、比較的すぐに売り切れてしまうことが多く、物によってはプレミア価格になってしまう例も見受けられる。今回も人気のある植村ダイバーズだということで、国産時計ファンからの注目度は高いはずだ。