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自動車のレギュレータとは?故障したらどうする?レギュレータを解説

2023年05月10日

皆さんは、自動車の部品の1つであるレギュレータをご存じでしょうか?
「レギュレータ」とは一般に「調整器」の総称で自動車の多くの箇所に使用されています。
また、JIS D0103ではジェネレータ出力を制御する機器と定義されています。
今回は、「レギュレータ」の代表例を挙げ、故障時の対処法などを紹介します。

自動車のレギュレータとは?故障したらどうする?レギュレータを解説

自動車に使われるレギュレータって何?

JIS D0103で定義されている「レギュレータ」は「電圧レギュレータ」の事を指していますが、自動車には、「電圧レギュレータ」の他に「ウィンドウレギュレータ」や「燃料レギュレータ」が代表例として挙げられます。
ここでは、この代表的な3つのレギュレータを紹介していきます。

ウィンドウレギュレータとは?

ウィンドウレギュレータは最も馴染みやすいレギュレータで、自動車の窓を開閉するために用いられる部品です。
また、このレギュレータには手動式と電動式があり、現在の日本車では電動式のウィンドウレギュレータ(パワーウィンドウ)が多く採用されています。
パワーウィンドウの動作は、自動車の内部に搭載されているモーターを使って窓の開閉を可能にしています。

燃料レギュレータとは?

燃料レギュレータは、エンジンへ供給する燃料の圧力を調整している部品です。
この部品により、あらゆる運転時(一般道での運転の他、坂道での運転や高速道路での運転etc.)に供給する燃料が調整されており、自動車の速度やパワー(トルク)及び排気ガスの量などが適切にコントロールされています。

電圧レギュレータとは?

電圧レギュレータは、冒頭でも紹介した通りジェネレータ(発電機)から出力される電圧をコントロールする部品です。
自動車に搭載されているジェネレータは、自動車運転時の回転を用いて発電しているため、回転数が一定ではありません。
そのため、ジェネレータから出力される電圧が不均一になります。
そこで、電圧レギュレータは不均一な電圧を一定電圧に調整する役割を担っています。

レギュレータが故障した時の症状は?

ここまでで、自動車に搭載されているレギュレータの代表例を紹介しました。
では、これらの部品が故障するとどういった症状が生じるのでしょうか?
ここでは、各レギュレータが故障した際の症状を確認していきます。

ウィンドウレギュレータが故障したらどうなる?

ウィンドウレギュレータが故障した場合の症状は、スイッチを押しても窓の動きが鈍かったり、動作しなかったりします。
ここで注意すべき点は、ガラスランと呼ばれる窓枠に取り付けられているゴムに砂などのゴミが付着し、窓の動きを阻害している可能性です。
この状態で窓の開閉を継続すると、パワーウィンドウの内部機構(ワイヤーや金属リンク)やモーターに負荷が掛かるため、それらの部品を故障させる恐れがあります。
その他にも、「スイッチ」や後述する「電圧レギュレータ」などの電気部品の故障により、駆動モーターに動作指令がされていない可能性も考えられます。

燃料レギュレータが故障したらどうなる?

燃料レギュレータは、燃料の圧力をコントロールするための部品です。
そのため、この部品の故障は自動車の運転性能や排気ガスの量に影響を与えます。
ここでは、燃料圧力が低下した場合と上昇した場合に分けて紹介します。

燃料圧力が低下した場合
燃料の圧力が低下すると、アイドリングが不安定になったり、エンジンが掛かりにくくなったり、自動車のパワー不足を感じたりします。
なぜなら、自動車の運転に必要な燃料の量が不足するため、エンジンのスピードやパワーが必要分に達しない状況に陥るからです。
また、エンジンは起動時に最も力を使うため、その時に必要な燃料の量が不足するとエンジンが掛かりにくくなる症状も見られます。

燃料圧力が上昇した場合
燃料の圧力が上昇すると、エンジンに必要以上の燃料が供給されるためアイドリング時に回転が上昇したり、マフラーから大量に黒煙を出しながら運転したりと環境に悪く、大きな事故に繋がる恐れもあります。

電圧レギュレータが故障したらどうなる?

電圧レギュレータが故障すると、自動車のあらゆる電気部品が動かないという症状に見舞われます。
最初に出くわす症状は、エンジンが掛からないといったものです。
これは、バッテリー切れとも似た症状でそれらの区別は非常に難しいと言われています。
その他にも、カーナビや①で紹介したウィンドウレギュレータが動かないなど、その症状は多岐に渡ります。
また、「電圧レギュレータ」が適切に動作しなかった場合、各電気部品に必要以上の電流が流れ、それぞれの部品を破壊している恐れがあるので早期の対処が必要です。

レギュレータが故障したときの対応は?

ここまでで、各レギュレータが故障した場合の症状が確認できました。
では、その症状が見られた場合どのように対処すれば良いのでしょうか?
ここでは、レギュレータが故障した時の対応についてを述べていきます。

ウィンドウレギュレータが故障したらどうしたらいい?

ウィンドウレギュレータは、ガラスランにゴミが付着すると動作不良を起こす可能性があるので、ガラスラン付近の点検と掃除が必要です。
また、スイッチを押したときに動作音を確認すると、窓の動きが阻害されているのか、モーターが動作していないのかを確認できます。
しかし、ガラスランを掃除しても症状が改善しない場合は、後に内部機構やモーターの故障に繋がる恐れがあるので、早期の点検・修理をおすすめします。

燃料レギュレータが故障したらどうしたらいい?

燃料レギュレータの修理や整備は、困難な場合が多いので部品交換の対応が必要です。
また、この場合は燃料レギュレータの故障に留まらずエンジン自体が故障している可能性もあるので早期の点検・修理が推奨されます。
しかし、これら燃料関連の部品を点検・交換すると、燃料の使用量が改善されたり、経年劣化によるエンジン効率の低下を改善できたりする場合があるので、定期的なメンテナンスを依頼するのも一つの手段です。

電圧レギュレータが故障したらどうしたらいい?

この場合も燃料レギュレータの故障と同じく、多くの部品に影響を及ぼしている可能性があります。
さらに、電圧レギュレータの故障はバッテリー切れと症状が似ていたり、他の電気部品の故障検知が困難であったりするのも事実です。
そのため、異変を感じたら点検・修理を依頼した方が懸命だと考えられます。

自動車のレギュレータとは?故障したらどうする?レギュレータを解説 まとめ

今回は、自動車のレギュレータについて解説しました。
レギュレータと言っても様々な種類や役割があることがわかりましたね。
また、適切な知識はトラブル時に役立つ場合が多いので、本記事を参考にして頂ければ幸いです。